梅雨入り、偕楽園で梅の実落とし

茨城新聞
2020年6月12日

 気象庁は11日、関東甲信地方が梅雨入りしたとみられると発表した。平年より3日遅く、昨年より4日遅かった。水戸市の偕楽園や弘道館では同日、恒例の梅の実落としが始まり、作業員がたわわに実った青梅を収穫した。昨年11月以降の天候不順や今年4月の強風で実が落ちるなどしたため、今年の収穫量は不作だった昨年(4.6トン)よりも減る見込み。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、一般への販売は行わない。
 
 同市常磐町の田鶴鳴(たづなき)梅林ではこの日、作業員が竹ざおで枝を揺らして落とした実を拾い、次々とコンテナボックスに収めていった。県水戸土木事務所偕楽園公園課によると、今年の梅は平年より開花が25日早く、受粉を促すニホンミツバチが減って活動時期もずれたことで、平年より実が育たなかったという。
 
 一般販売は例年、500人以上の行列ができていた。「安全な距離を保つのが難しい」(同課)ため、今年は中止とした。青梅の一般販売は1963年から始まり、中止したのは凶作の72年以来、2度目となる。
 
 梅の実落としは12日も行い、収穫した青梅は食品加工業者に卸され、梅干しや練り梅などの加工食品として販売される。

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