水戸・偕楽園180年 誘客促進へ多彩催し パネル展や資料公開
日本三名園として知られる水戸市の偕楽園が7月1日で開園180年を迎える。茨城県は、創設者の水戸藩9代藩主、徳川斉昭の思想や同園の魅力を伝えようと、歴史を振り返るパネル展示や貴重な資料公開などを行う。多彩な記念イベントを通し、誘客促進を図りたい考えだ。
偕楽園は文武修練のための藩校「弘道館」に対し、「衆と偕(とも)に楽しむ」休息の場として1842年7月1日に開園した。
開園当初の思想を伝えるため、県は7月1~31日、「偕楽園のいまとむかし」をテーマに県庁25階展望ロビーや偕楽園の「好文亭」や「見晴亭」、同市見川の偕楽園公園センターでパネル展を開催。さまざまな資料とともに、同園を写した大正-昭和初期の絵はがきなども紹介する。
展示は8月1~16日にイオンモール水戸内原(同市内原)、同17~31日に京成百貨店(同市泉町)でも開かれる。
7月1~3日には、斉昭の筆による「先春梅記」の拓本が弘道館で初公開される。先春梅記が刻まれ、拓本の原本となった同市宮町の石碑は、1918年の大火で焼失。公開される拓本は全文が確認できる唯一の資料として残されている。
このほか、「一張一弛」を体感できるツアーや講演会なども行われる。1日には、偕楽園を訪れた先着180人に記念カードを贈呈する。県都市整備課は「偕楽園の魅力を再確認してほしい」と、来園を呼びかけている。