かまどでご飯、漁見学も 観光施設に活用 かすみがうらの古民家改装宿泊施設23日オープン 

茨城新聞
2020年7月12日

かすみがうら市坂の歩崎公園近くで築100年を超える古民家を改装した宿泊施設が23日、オープンする。市が所有者からの寄贈を受け観光施設として活用。自転車専用道路「つくば霞ケ浦りんりんロード」の沿線にあり、観光面を活性化する考えだ。新型コロナウイルスの感染拡大で影響が出ている中、体験型観光を売りに打開を図る。

宿泊施設は屋号を使い「古民家江口屋」と名付けた。市と県が交付金で改修費2千万円を賄い、市の第三セクター、かすみがうら未来づくりカンパニーが指定管理者として運営する。市は簡易宿所として旅館業申請した。

江口屋は、寛政年間(1790年ごろ)に創業し、農業・酒造業を営んだ。明治期に「源勲正宗」、昭和初期に「澤の不二」の銘柄で酒を造っていたという。今回改装した建物は明治後半に建築され、後に簡易郵便局を併設。昨年、市に寄付された。

敷地面積は約3千平方メートル、建物は約190平方メートルある。市は専門業者に改装を依頼し、和室と洋室の寝室各2部屋、広間、食堂、浴室を備える。

宿泊では体験型を前面に出す。外側の土間に従来あったかまどを残し、朝食に羽釜で炊いたご飯を提供する。石窯(いしがま)ピザ作りやソーセージ作りなどの食体験、霞ケ浦の朝日を見たり漁を見学したりするこの地ならではの体験をアピールする。市観光課の猪俣直宏課長補佐は「かまどや五右衛門風呂のような昔の生活を体験できる魅力を訴えたい」と語る。

宿泊料金はいずれも朝食付きで中学生以上7千円、小学生まで4千円、3歳~小学生未満は千円、3歳未満は無料。宿泊は4組程度(16~20人)だが、コロナ対策で当面は2組に限定し、密にならないよう配慮する。

同カンパニー江口屋担当の森田千亜紀さんは「泊まった人ならではの楽しみがある宿にしたい。物語を打ち出していければ」と強調した。

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