10月に前橋でブックフェス 蔵書を手に交流、交換やイベントでにぎわいを創出
中心街に蔵書を持ち寄って交流する新しい形のイベント「前橋BOOK FES(ブックフェス)2022」が10月29、30の両日、群馬県前橋市で開かれる。スマートフォンアプリを通じ本を交換でき、トークショーや朗読会といった本にまつわる企画で市の魅力やにぎわい創出につなげる。食や音楽、アートなど多彩なイベントも同時開催する。報道向け発表会が3日、東京・渋谷で開かれ、山本龍市長らがイベントへの思いを語った。
山本市長と共に、イベントを取りまとめるコピーライターの糸井重里さん(前橋市出身)、ジンズホールディングスの田中仁CEO(同)が登壇。本を介して交流する場を設けたいという糸井さんの積年の思いが発端となり、中心街の活性化に力を入れる田中CEOと話し合う中で実現したことが紹介された。
イベントは「本でみんなが元気になる」がテーマで、中央通り商店街や弁天通り商店街で行う「本トレード」が核。出展者はお薦めの蔵書をアプリで登録して会場に持ち寄り、参加者はアプリでポイントと交換することで本を手に入れることができる。著名人の出展も予定している。
今年で市制130周年を迎える同市は「デジタルグリーンシティ」を将来像に掲げ、政府のデジタル田園都市国家構想推進交付金の配分先にも選ばれた。フェスでは、10月にも構築されるデジタル個人認証「まえばしID(仮称)」に本や個人のデータをひも付け、安心して安全な取引を楽しんでもらう。デジタルを生かしたまちづくりを先駆的に進める市の魅力をアピールする狙いもある。
市や民間でつくる実行委員会が主催。より多くの人に関わってもらい、継続的なイベントにするため、一連の費用は市の補助金や企業協賛金に頼らず、クラウドファンディング(CF)で広く民間から募る。CFサービス「READYFOR(レディーフォー)」で17日から募集を開始。寄付者に対し、糸井さんによる特別な特典も計画する。
発表会では、山本市長が「多くの人に本への思いとともに前橋を訪れてほしい」とあいさつ。糸井さんは「本にまつわる思いを語るだけで、その人の性格や生きてきた道のりを感じられる。何が起きるのか分からないが、会場に行けば何か面白い思い出をつくれるはず」と期待した。田中CEOは「作家、編集者、建築家、アーティストなどの著名人が前橋に集う。街中エリアを歩いていろいろな出会いを楽しんでもらえると思う」と話した。