「エルネスト」作品賞 日系革命家を描く 高崎映画祭
高崎映画祭委員会は20日、第32回高崎映画祭の11部門の受賞者を発表した。最優秀作品賞は、キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラと共に革命に散った日系人の生涯を描いた「エルネスト」(阪本順治監督)に決まった。映画祭は来年3月24日~4月8日の16日間で、今年の話題作や過去の名作などを上映する。
各賞は2016年12月中旬~17年11月末までに劇場公開された邦画約400本から選考した。授賞式は来年3月25日に高崎市の群馬音楽センターで開かれる。
志尾睦子プロデューサーは「例年になく選考は難航した。どこがどういいのかを丁寧に分析し、新しい映画の見方、作り方を追い求めていることを基準に選んだ」と説明。日本とキューバの合作映画として製作された「エルネスト」について、「完成度の高さは言うまでもない。両国のスタッフが一丸となって作り上げた大作であり、歴史の影に埋もれた名もなき戦士を取り上げたという点で、映画界としては果敢な企画だった」と評価した。
最優秀監督賞は「海辺のリア」の小林政広監督、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石井裕也監督の2人。最優秀主演女優賞は「海辺の生と死」の満島ひかりさん、最優秀主演男優賞は「海辺のリア」で認知症を患う元スター俳優を演じた仲代達矢さんが選ばれた。
革新的作家性を備え、映画界の未来を照らす作品に贈られるホリゾント賞は、自然と共に暮らす老夫婦を追ったドキュメンタリー映画「人生フルーツ」(伏原健之監督)に贈られる。
その他の受賞者(出演作品)は次の通り(敬称略)。
▽最優秀助演女優賞 黒木華(海辺のリア)岩井堂聖子(真白の恋)▽最優秀助演男優賞 池松壮亮(映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ)▽最優秀新進女優賞 佐藤みゆき(真白の恋)▽最優秀新進男優賞 岡山天音(ポエトリーエンジェル)▽最優秀新人女優賞 石橋静河(映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ)▽新進監督グランプリ 坂本欣弘(真白の恋)
【写真】最優秀作品賞に輝いた「エルネスト」のワンシーン(c)2017 〓ERNESTO〓 FILM PARTNERS.
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