焼失 仁王像 120年ぶり復活  下野・慈眼寺 2体、ヒノキで一木彫り 念願成就、門再建へ

下野新聞
2022年6月23日

【下野】鎌倉時代に建立された空海(くうかい)ゆかりの慈眼寺(じげんじ)でこのほど、「霊木」といわれる台湾のヒノキで造られた一木彫りの仁王(金剛力士)像2体が完成した。明治時代の大火で仁王門とともに焼失しており、120年ぶりの再建となる。同寺は今後、仁王門を再建して仁王像を安置する予定で、上野法忍(うえのほうにん)住職(70)は「歴史のある往年の寺の山容が戻ってくるのは感慨無量です」と話している。

慈眼寺は建久7(1196)年に上野(こうづけ)(群馬県)の豪族新田義兼(にったよしかね)が建立し、新田氏の祈願所となった真言宗の古刹(こさつ)。弘安10(1287)年に高野山の学僧が書写した「空海御遺告文」も残る。徳川(とくがわ)将軍とも関係が深く、日光社参では将軍家の御昼食所にもなった。

しかし、明治35(1902)年に火災が発生。仁王門と仁王像は失われ、再建は「歴代住職の念願」(上野住職)となっていた。

新たに作られた仁王像は高さ約3メートル30センチ、重さは約500キロ。樹齢1300年のヒノキを約20年寝かせ、台湾の故宮博物院の大仏師が1年半かけて一木彫りした。

通常は寄せ木で作られるため、1本の木から作るのは極めて珍しいという。制作費は1体数千万円。

仏像は台湾から船便で運ばれ、重機で本堂に安置された。現在、地震などでの横転防止のため柱に固定されている。

上野住職がいれば見学もできる。(問)同寺0285・44・3216。