車中泊で観光振興へ 茨城・高萩市、日産と協定 4月から実証実験
茨城県高萩市は28日、日産自動車との間で、同社の車両を使った車中泊体験の実証実験に関する協定を結んだ。4月から5月にかけ、観光客が市内で車中泊とアウトドアアクティビティを体験する企画を行い、将来的な事業展開を目指す。
市は観光誘客や交流人口の拡大を図ろうと、山や海、川といった自然資源を生かしたアウトドアによるまちづくりを推進している。ただ宿泊施設が少なく、来訪者の滞在時間が短いことが課題だった。
一方、新型コロナウイルスの影響で車中泊が注目される中、同社はワゴン車「キャラバン」が、従来の商用だけでなくアウトドアの利用にも人気が出ていることに着目。昨年12月にも、同市でキャラバンを使った体験イベントを開いた。
実証実験は4月28日から5月17日の間、10組20人を募集して行う。市内5カ所に設定した車中泊スポットに泊まり、水上アクティビティや釣り、乗馬、ヨガなど市内事業者が提供する7種類の体験から二つを選んで楽しむ。同社は車両2台を貸し出す。
1泊2食付き、参加費は1人6千円(小学生までは半額)。既に特設サイトから募集を始めており、応募多数の場合は抽選となる。
市は秋、冬にも実証実験を行い、2023年度から、市観光協会などを主体として本格展開したい考え。同社も「今回の取り組みをモデルケースとして車中泊による観光振興を全国の自治体にも提案していきたい」(神田昌明日本マーケティング&セールス理事)としている。
大部勝規市長は28日、市役所で開かれた協定締結式で「今回のイベントを入り口に周遊観光ができるまちにし、経済の活性化につなげたい」と述べた。