《いばらき御朱印めぐり》河内 勝福寺 人気集める本尊絵柄

茨城新聞
2022年6月12日

■スタンプに公式キャラ

新利根川沿いにある真言宗智山派「勝福寺」(茨城県河内町羽子騎)。古来、祈願寺と知られている寺だ。細い道を車で進んでいくと、同寺公式キャラクター「金魚ちゃん」が、駐車場の壁に描かれているのが目に留まった。

創建は、今から350年以上前にさかのぼる。江戸初期の寛文年間(1661~72年)に祐圓上人(ゆうえんしょうにん)による開山とされる。寺には、〝仏の王者〟といわれる「大日如来」を2体祭る。同寺長老の小崎政行さん(74)は「2体祭る両部大日如来は正式な祭り方だったが、今は全国的に珍しくなった。この御朱印を求めに来る参拝者も多い」と人気ぶりを話す。

本堂に入ると、約80個の金魚のちょうちんが天井からぶら下がり、明るい気持ちにさせてくれる。「赤や朱色は昔から魔よけや幸運を運ぶ色といわれる。悩みや重荷を背負っておいでになる人もいる。元気になってもらいたい」との思いからだ。

同寺では御朱印ブームを背景に約5年前から頒布を始めた。月替わりや見開きタイプなど8種類を用意している。窓口で御朱印を渡して終わりにせず、本堂に上がってもらい、住職や副住職らがじっくりと案内している。「この寺には魅力がたくさんある。仏様と向き合うことで、これまでと違った人生観を得られると思う」と小崎長老。

8種類ある御朱印の中でも人気を集めるのが、ご本尊「両部大日如来」の御朱印。つくば市在住の絵本作家、小林由季さんが手がけた「金魚ちゃん」のスタンプが押されている。「金魚のちょうちんをモチーフに描いてもらった」という。月替わりの御朱印(6月)は、アジサイ柄の金魚ちゃんのスタンプを押した梅雨の季節感あるデザイン。

勝福寺の人気御朱印(左)と6月限定の御朱印

 

 

御朱印のほかにも見どころがある。本堂の天井にある3メートル四方の「天井絵飛天」もその一つ。水墨画の巨匠だった故岩崎巴人画伯が美しい3体の天女を描いた。「心の中でもよいので住所と名前を伝えお参りした後は、寝そべって天井画を見てほしい」という。岩崎画伯は、小崎長老の妻が、幼少時代に絵画を習っていた先生。その縁で同寺に生前幾度となく訪れており、約100作品が収蔵されている。

小崎長老は「ぜひ本堂にじっくり座ったり、寝転んだりして、静けさや心地よさを体感してもらえたらありがたい」と話す。(第1土曜日掲載)

■メモ
アクセス…圏央道牛久阿見ICを下りて、国道408号へ、その後は県道68号を進む。新利根川沿いにたなびく「御朱印」ののぼり旗が目印。
住所…稲敷郡河内町羽根騎9
電話番号…0297(84)3670
御朱印…書き置きのみ、見開き700円、月替わりなどは500円、金魚ちゃんのスタンプなしの御朱印300円。午前9時~午後4時。