日本の絵本100年の歩み 茨城のしもだて美術館、いわさきちひろ展

茨城新聞
2022年1月14日

1910年代から約100年間の日本の絵本の歩みを紹介する、ピエゾグラフ展「いわさきちひろと日本の絵本」が、茨城県筑西市丙のしもだて美術館で開かれている。子どもの幸せや平和をテーマに淡い色彩の水彩画を数多く描いた、いわさきちひろ(1918~74年)を中心に、本田庄太郎、赤羽末吉、井上洋介、和田誠、西村繁男、武田美穂、出久根育ら、画家・絵本作家26人の作品100点が紹介されている。

展示品はいずれも、安曇野ちひろ美術館(長野県松川村、黒柳徹子館長)所蔵の「ピエゾグラフ」と呼ばれる、極めて精巧な複製画。会場には、幼少期のいわさきちひろに大きな影響を与えた子ども向け絵雑誌「コドモノクニ」を含む、オリジナルの絵本・雑誌資料約100点も展示され、創作の社会背景を理解できるよう工夫されている。

いわさきちひろが、茨城県出身の詩人、野口雨情や、筑西市に疎開した詩人、西條八十の作品を描いた絵本も特別に紹介されている。

安曇野ちひろ美術館の主任学芸員、宍倉恵美子さん(47)は「たくさんのベストセラー、ロングセラーの絵本が展示されている。日本の絵本の100年の歩みをたどりながら、その豊かな表現の足跡と、それぞれの絵本が生まれた時代について知ってもらえたらうれしい」と話した。

3月6日まで。午前10時~午後6時。11日と月曜休館。一般500円、高校生以下無料。問い合わせは、しもだて美術館(電)0296(23)1601。