第二の人生はパン屋さん きょう開店 熟練の技術生かす 元レオン自社員が挑戦

下野新聞
2021年10月16日

 食品加工機械製造のレオン自動機(宇都宮市)元社員吉田恒彦(よしだつねひこ)さん(61)=同市下田原町=は14日、定年退職を機にベーカリーを開業する。製パンや製菓事業者への加工機械の技術サービスを通して培った製パン技術を生かす。

 同所に開店するのは、ベーカリー「pop‘s Bakery&Terrace(ポップス・ベーカリー・アンド・テラス)」。

 吉田さんは製パン会社に勤務後の1986年、レオン自動機に転職した。主に製パンラインや包あん機など加工機械の納入先に出向き、顧客が作りたい製品製造を支援する「技術サービス」畑を歩んだ。顧客支援は数日で終わる場合もあれば、数カ月に及ぶ大手工場もあった。関わった事業者数は国内外約350先。

 96年から4年間、ドイツに駐在し、2015年からの5年間は米国の同社子会社「オレンジベーカリー」の工場長を務めた。「いかにおいしいパンを作る機械を開発するか」、パン作りの立場から開発設計陣と共に研究に当たった時期も長く、原材料から窯の特性にも熟知しているという。

 ベーカリー創業を思い立ったのは数年前。「積み重ねた経験とノウハウを生かしたかった」と、手狭になった自宅の移転を機に決断し、今年8月に退職した。

 新店では国産小麦と発酵バター、天然酵母を使う。吉田さんは「時間と手間をかけたおいしさと安全安心を提供したい」と話す。当面は食パン、あんパンなど約35種を提供する。

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