乾板式木製カメラ展示 高崎の歴史民俗資料館

上毛新聞
2021年9月14日

 高崎市歴史民俗資料館(同市上滝町)は、20世紀初頭に輸入された米国・アンソニー社のカメラをもとに製作された「アンソニー型スタジオ用カメラ」の展示を始めた。詳しい来歴は不明ながら、デジタル技術でなく写真乾板(ガラス乾板)を使用する古い製品で、カメラや写真の歴史を知る上でも貴重な展示となっている。
 アンソニー社のカメラは発売当時、写真館のプロ用木製カメラの代名詞とされた。展示中のカメラは、安中市で写真館を経営する上原将智さん(53)が寄贈。先代の父親が廃業した写真館から譲り受けたという。
 正確な譲渡時期は不明なものの、「30年近く前」と推測する。元の所有者も分かっていない。上原さんは「カメラの機構から考えると、大正から昭和初期の物ではないか」と話している。
 譲り受けた後、撮影には使用せず、店内に展示していた。店舗の改装などもあり「興味のある人に譲りたい」と考えていたところ、同館にたどり着いた。
 同館は「デジタル化する中、写真館が使う大型のカメラが撮影できる状態で残っていることは貴重」としている。カメラや写真に詳しい人から来歴などに関する情報提供があることも期待している。
 問い合わせは同館(☎027-352-1261)へ。(米原守)