おうちで歴史、芸術堪能 茨城県立歴史館と水戸芸術館 3D映像や過去公演配信

茨城新聞
2021年8月31日

新型コロナウイルス感染拡大の影響で臨時休館中の茨城県立歴史館(水戸市緑町)と水戸芸術館(同市五軒町)が、インターネットを使った「配信」に力を入れている。県立歴史館は中断している企画展の会場内を3D映像で紹介する「バーチャル展示会」をホームページなどで公開。水戸芸術館では過去のコンサート映像などを無料で視聴できる「おうちで楽しむ水戸芸術館」を配信している。閲覧した人に「訪れた気分になってもらう」「安らぎを与える」ことなどが狙い。

VRで復活
県立歴史館は、県独自の非常事態宣言と国の緊急事態宣言発令を受け、18日から31日まで臨時休館することになった。7月15日から始まった企画展「絵図・地図・アーカイブ図-描かれた茨城の都市と村-」も中断となったが、バーチャル・リアリティー(VR=仮想現実)の技術で復活。特殊なカメラで会場内を360度撮影し、3D映像で楽しむ展示会として、形を変えて公開された。

映像はスマートフォンなどで閲覧する。会場の様子が映った画面を指でなぞって動かすと、場内を移動したり、展示物に近寄ったりする体験もできる。

同様のサービスは国立科学博物館(東京)などでも導入されている。同館行政資料課長の長谷川拓也さん(48)は「これをきっかけに再開後の県立歴史館へ足を運んでもらえたら」と期待する。

演劇も追加
水戸芸術館は「水戸市新型コロナウイルス感染症対策本部」の方針を受け、6日から31日まで臨時休館している。このため、音楽、演劇、美術の各部門で、過去に実施した公演などの動画を無料配信するサービス「おうちで楽しむ水戸芸術館」を18日から再開した。

同サービスは昨年4月から今年3月にも実施。過去のコンサートや演劇公演、展覧会などの動画を公開していた。再配信は音楽、美術の2部門だが、今後、演劇の映像も加える予定だという。

「おうちで楽しむ水戸芸術館」で配信されている「水戸室内管弦楽団第106回定期演奏会」の映像(同館提供)

 

同館ホームページの「おうちで楽しむ水戸芸術館」のバナーをクリックし視聴できる

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