三十三観音 新たに選定 【負けない 新型コロナ】足利仏教会 パンフレット作成 「悩み、苦しむ人救いたい」

下野新聞
2021年6月22日

 【足利】足利仏教会は「足利三十三観音霊場」を新たに選定し、全霊場を案内するパンフレット2万部を作成した。市内外の寺院や観光・商業施設で配布を始めており、全ての霊場で御朱印を受けることができる。市制100周年に合わせた企画で、33寺院で新たに同霊場会を立ち上げた。源田晃澄(げんだこうちょう)会長は「まちおこしだけでなく、新型コロナウイルス禍の中、悩み、苦しみを抱える人を助けたいという思いもある」と話し、巡礼を呼び掛けている。

 三十三観音霊場巡りは観音様が33の姿に変身して人々を救うとの信仰に基づき、全国各地で同様の巡礼が行われている。足利仏教会の武井全補(たけいぜんぽ)会長によると、「知る限り、地元で江戸、大正期に選んだ三十三観音巡りがあったが、いつしかなくなっていた」という。

 今回新たに選定したのは、いうなれば「令和の足利三十三観音」。1番札所は小俣町の鶏足寺で、源田さんが住職を務める徳蔵寺(猿田町)は22番、武井さんの高福寺(家富町)は32番。33番札所は市中心部の古刹(さつ)鑁阿(ばんな)寺(同)と定めた。

 1番札所から順に巡ることで、市西部から北部、東部、南部、中心部へとスムーズに参拝することができる。各霊場に納経帳(御朱印帳、1800円)を備えており、参拝者は御朱印を受けることができる。

 武井会長らは21日、市役所に早川尚秀(はやかわなおひで)市長を訪ね、パンフレットの完成を報告するとともに、太平記館など市内の観光施設での配布を要請した。

 武井会長は「『まちおこしは社寺から始まる』ともいわれ、新たに選定した霊場を市民や足利を訪れる人たちにゆっくり巡ってほしい」と話している。

 (問)同霊場会事務局の福居龍泉寺0284・71・0334。

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