岩裂神社鰐口を市文化財に指定 鹿沼、きょうから特別公開

2021年5月28日

 【鹿沼】市は27日までに、草久(くさぎゅう)の岩裂(いわさく)神社の「鰐口(わにぐち)」を市有形文化財(歴史資料)に指定した。指定は100件目(取り消し6件含む)で、28日から睦町の市文化活動交流館で特別公開する。

 鰐口は神社仏閣の堂前の軒先に掛けられ、垂らした縄緒で音を鳴らす日本独自の梵音具(ぼんおんぐ)。形がワニの口に似ていることから名付けられたとされる。

 同神社の鰐口は銅製で直径15・2センチ、中央部分の胴厚5・03センチ。「貞治三年十一月十五日」などの銘文が記されており、南北朝時代の1364年から伝わるとみられる。市文化財保護審議会は、扁平(へんぺい)形の特徴などからも市最古の鰐口と判断。同神社の前身である星宮神社が日光山中を修行の場とする修験者らの尊崇を集めていたという歴史的・地理的背景なども勘案し、市有形文化財に相当するとした。

 同じく草久にある八坂神社に伝わる二つの鰐口(1581年、1759年)や関係資料とともに、6月25日まで同館郷土資料展示室で展示される。市教委文化課文化財係の担当者は「作られた時代により、全体の形状などが微妙に異なる。貴重な資料なのでぜひ見てほしい」と話している。

 午前9時~午後5時、月曜休館。(問)同係0289・62・1172。