アユ遡上、例年並み 12~15センチ確認 茨城県内河川、6月1日解禁
茨城県内のアユ釣りが6月1日、解禁となる(一部支流は7月1日)。遡上(そじょう)調査を行ってきた県水産試験場内水面支場は「突出して多かった昨年に比べると少ないが、例年並みの遡上」とみている。久慈、那珂両河川の投網調査でも、昨年同期とほぼ同数のアユを確認しているという。
新型コロナウイルスの感染収束は見通せないが、1日は愛好者らが季節の「初物」を求めて、県内河川に繰り出すと予想される。漁協関係者らは「密になるほど釣り人が押し寄せる事態にはならないと思うが、警戒を怠らず、注意を促していく」としている。
同支場によると、3月中旬に久慈、那珂両河川の調査地点で遡上が初確認された。久慈川では体長10センチ超、平均15匹。那珂川は11センチ、平均17・8匹が確認され、いずれも例年並みだった。他の河川でも同様の傾向とみられる。
河川の水温は気温に左右される。3~4月中旬の気温が高めに推移して、河川への回帰率に好影響を与えた可能性がある一方、4月中旬以降、5月までは低めで、「この変化がアユにどう影響するか」見守りたいとしている。
県内各漁協では今月末までに昨年並みの放流を実施。漁協関係者からは「12~15センチクラスを確認した。はみ跡も見られ、状況は良好だ」との声が聞かれる一方、堤防工事が実施されている河川もあり「工事が影響する可能性もある。予想はできない」と慎重な見方。
組合員の高齢化と減少、遊漁者の減少による減収など課題も多い。近年は放流に頼らず「資源として増やす」ことを狙いに、河川の力を生かした持続可能な繁殖の試みも続く。各漁協は水圧によって固くなった河床を、重機やエンジンポンプで耕し「浮き石」状態を造成して、アユが産卵しやすい環境を整えるなどしている。アユの産卵時期に合わせ、久慈川漁協では今年も川を下るアユを保護するため、10月1~7日、全域で休漁期間を設ける。
■茨城県内各漁協の放流状況
【久慈川】5月下旬までに、福島県境から常陸太田市内にかけて3カ所で放流、6月下旬には各支流でも予定し、合計は2トン。本流は6月1日午前5時解禁。八溝川、里川や押川などの各支流は7月1日午前5時解禁。アユ資源保護のため10月1~7日の1週間は全域で休漁。 久慈川漁協(電)0295(52)0038。
【那珂川】5月下旬までに水戸市北部で約500キロを放流。本流は6月1日午前0時解禁。藤井川と緒川は7月1日午前0時解禁。 那珂川漁協(電)029(288)3034。
【大北川・花園川】5月下旬に大北川とその支流の花園川、両河川計6カ所で計300キロを放流。 大北川漁協(電)0293(43)2566。
【鬼怒川】5月下旬に筑西市の2カ所で、計約300キロを放流。 鬼怒小貝漁協(電)0296(28)0035。