「三匹獅子」が36年ぶり復活 つくば・田倉 コロナ収束願い演舞

茨城新聞
2021年3月29日

後継者がおらず継承が途絶えていた茨城県つくば市田倉に伝わる民俗芸能「田倉の三匹獅子」が28日、復活した。同所の八幡神社でお披露目会が開かれ、新型コロナウイルス収束という新たな祈りを込めた演舞が地域住民らでつくる保存会会員らによって、36年ぶりに踊られた。

「三匹獅子」は江戸時代から伝わる演舞で、同市の無形民俗文化財にも指定。不定期に行われるため、1985年の「科学万博」で披露されて以降、継承が途絶えていた。

復活に向け保存会は昨年2月から活動を開始。同市上郷の祭りでお囃子(はやし)を披露する中央囃子会も協力し、残った資料などから舞や横笛の演奏を復元した。

演舞では、「3匹の獅子が厄災を払う」という筋書きを現代風に解釈し、新型コロナの収束という願いが込められた。

保存会の三谷誠会長は「多くの人の協力がなければ復活できなかった」と感無量の表情。今後の活動については「いろいろな地域で舞を披露し、後継者を探していきたい」と語った。

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