元気に邪気払い 行方 伝統行事「太刀揉み」

茨城新聞
2016年6月16日

行方市三和の金上地区にある高貴神社で15日、伝統行事「太刀揉(も)み」が行われた。地元の男子児童たちが、長さ約2・9メートルの木製の太刀を抱えて地域を回り、邪気を払い、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する。児童たちは約50軒を歩いて回り、行く先々で元気な声を響かせた。

同日は、朝から約50人の氏子が境内の掃除や草刈りを行い、夕方に児童が合流。北浦の水で太刀を清めた後、同神社から巡回を開始した。児童たちは、地域の一軒一軒を太刀を抱えて訪問し「わっしょいわっしょい」の掛け声とともに玄関に入り、「でーろでーろ」と言いながら後ずさりする行為を繰り返した。かつてのスタイルを守り、玄関から部屋まで駆け上がらせる家もあった。氏子の大人たちも同行し、お札とお神酒、まぜご飯のおにぎりを配って歩いた。

同地区に住む市文化財審議委員の河野勝雄さん(71)は「太刀揉みが始まった時期ははっきりしないが、この地域でずっと昔から親しまれてきた。みんな子どもたちが元気に家に来るのを楽しみにしており、こうして伝統が受け継がれていくことは良いこと」と話した。

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