庠主との関わりたどる  遺蹟図書館 企画展「戦国武将と足利学校」 古文書など20点/初公開の木板も

下野新聞
2021年3月9日

【足利】古文書などの企画展示「戦国武将と足利学校」が、昌平町の史跡足利学校遺蹟(いせき)図書館で開かれている。学校長に当たる庠主(しょうしゅ)と相模・北条(ほうじょう)氏、甲斐・武田(たけだ)氏、豊臣秀吉(とよとみひでよし)のおい秀次(ひでつぐ)、徳川家康(とくがわいえやす)との関わりなどが見て取れる。

展示は古文書など約20点。大成殿の大規模修理で2019年に発見された第7世庠主九華(きゅうか)が書き記した木板「稲荷大明神神像奉納由来記」は初の一般公開となる。

学校所蔵の国宝、詩文集「文選」は複製を展示する。1560年、九華が小田原で北条氏康(うじやす)、氏政(うじまさ)父子に講義した際、金沢文庫の蔵書から贈られたものだ。

武田氏の軍学書「甲陽軍鑑」は江戸期のものを展示。信玄(しんげん)が占い師(軍師)を選ぶ際、家臣に「占いは足利にて伝授か」と尋ねたことが記されている。学校が当時、最高学府として信頼されていたことがうかがえる。

秀次は豊臣氏が小田原征伐で北条氏を滅ぼした後、第9世庠主三要(さんよう)に学校の書物・宝物を持って京都入りするよう命じた。それらを再び学校へ戻すよう命じたのが家康だ。家康から家光(いえみつ)まで仕えた日光山中興の祖天海(てんかい)も学校で学んだ一人。江戸期の「羅山林先生集」、明治期の「東叡開祖慈眼大師御伝記」などの展示でたどる。一部資料の展示は期間限定。4月19日まで。

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