密避けて心贈り合う ブランド絞り、「ご褒美」「手作り」照準 バレンタイン商戦

上毛新聞
2021年1月31日

 県内小売店でバレンタイン商戦が本格化している。巣ごもり需要を念頭に置いた商品展開や、密にならない売り場作りなど、新型コロナウイルス感染拡大防止の流れを受けた販売戦略が目立つ。テレワーク推進の影響で職場向けのチョコ販売は苦戦が見込まれるが、各社は「ご褒美」として自分用に買ってもらう高価格帯の品ぞろえを充実させるなど、販売増に知恵を絞っている。

 スズランは高崎店(高崎市)で16日から催事を開始。バイヤーが目利きした約50ブランドが並ぶ。新型コロナ対応で通路を広く確保するなどしたため、例年に比べて約10ブランド減った。「チョキ トーキョー」のドライフルーツやナッツのチョコボール(80グラム、1080円)などが初登場した。

 高崎店は国内メーカーを重視。「メーカーにもコロナの影響はあるだろう。商品作りへの真摯(しんし)な取り組みを応援したい」としている。前橋店(前橋市)では異なる商品展開で開催しており、両店とも2月14日まで。

 生活雑貨販売・ライフスタイルショップのハンプティーダンプティー(前橋市)は、特設売り場を県内7店舗に設けている。今年のテーマは「手作り」。在宅時間を菓子作りに充てて家族に贈ってもらおうと、ミックス粉やラッピング用品などをセットにした商品を強化。各店で在庫状況は異なるが、クオカの「濃厚プチガトーショコラ」(1296円)などが人気だという。

 高崎高島屋(高崎市)は28日、恒例の催事「アムール・デュ・ショコラ」をスタートした。開始2時間で完売商品が出るなど好調な出だしとなった。会場には「自分へのご褒美」や「自宅で家族と」として複数の紙袋を手にした客の姿もあった。

 フランスの「ジャック・ジュナン」や台湾の「YUショコラティエ」など日本初上陸で、高島屋でしか購入できないチョコを含めて93ブランドを展開。竹下真社長は「普段の客層より若い世代の来場が目立つ。これを機に若年層への魅力発信にも務めたい」と話している。

 新型コロナ対策のため出店数は昨年より17ブランド減らしたほか、オンライン販売も展開している。2月14日まで。