ノンアル梅酒「百年零」、14日発売 明利酒類 本格的な味わい追求

茨城新聞
2020年10月13日

日本酒「副将軍」のブランドで知られる明利酒類(水戸市元吉田町、加藤高蔵社長)は同社の主力商品「百年梅酒」のノンアルコール飲料「百年零(ぜろ)」を新たに開発した。同社でノンアルコール飲料を手掛けるのは初めて。飲酒の習慣があっても病気でアルコールが飲めない人や、飲食店でドライバーも楽しめる本格的な味わいを追求した。飲酒人口が減少する中、幅広い層の取り込みを図り、消費者の裾野を広げたい考えだ。

発売日は14日。同社の資料館兼直売所の「別春館」(同市元吉田町)や県内の酒販店、同社ホームページで販売する。価格は500ミリリットル入り864円(税込み)。

味わいは濃厚で口に含むと舌にどっしりと広がるしっかりとした梅の甘みと酸味が特長で、ロックや炭酸割りがお勧め。添加物や香料は不使用となっている。ジュースとは一線を画すアルコールテイストにするとともに、看板商品の名を冠する味に仕上げるために2年5カ月を要した自信作だ。

「百年零」は若手社員を中心とした月1回の商品開発会議から生まれたアイデア商品で、試作は50回以上繰り返した。完成間近になっても会社内での試飲で全員の納得が得られず、一から作り直したこともあったという。

社内初のノンアルコール梅酒「百年零」を開発した社員ら=水戸市元吉田町

 

こうした取り組みは本格芋焼酎「漫遊記 無濾(ろ)過新酒」、蜂蜜をブレンドした梅ワイン「Rich Blended 8(リッチブレンディットハチ)」を今までに商品化している。

開発に当たった同社酒類販売部の草野洸さん(32)は「スタンダードにアルコールを飲んでいる人が物足りなさを感じないようにした。『百年梅酒』を知ってらっしゃる方にも、おいしく飲んでいただきたい。日本一の梅酒に極限まで近づけた」と話す。

県内の酒蔵でノンアルコール飲料を手掛けているのは「非常に珍しい」(県酒造組合)という。技術的な難しさや開発経費がかかることが要因とみられる。

発売に当たっては例年10月に行われる「水戸黄門漫遊マラソン」でランナーや全国からの観光客に味わってもらおうと考えていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、同イベントは中止。来年以降のイベントなどで本商品の周知を計画している。

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