染み出す汁、引き立つ甘み 揚げなすそば 手打ちそば 八蔵(足利)

下野新聞
2020年9月30日

 地域住民でにぎわう「手打ちそば 八蔵(はちぞう)」は、1980年の創業。店主の梁川安信(やながわやすのぶ)さん(66)は毎朝7時にそばや汁などの仕込みを始め、常連客の舌を満足させている。

 店の名物は「揚げなすそば」(880円)。「自分で育てた野菜でお客が喜ぶそばのメニューを作りたい」と、季節によっては自家栽培した無農薬のナスを提供している。今年は10月中旬ごろまで楽しめる。「良いナスが収穫できたので、食べに来てほしい」と梁川さん。

 汁は足利のそば屋で昔から使われているかつお節、宗田節、さば節の3種類の出汁(だし)と四国の小豆島しょうゆを合わせて作る。そばは石臼挽(ひ)き、挽きぐるみ、ロール挽きの3種類の異なる挽き方をしたそば粉と小麦粉で仕上げた外二。サッと30秒ゆでて提供するのが特徴だ。

 「パキッ」。割り箸を割り、いざ実食。汁にくぐらせたナスを頬張ると、油と汁が口の中に染み出し、ナスの甘さを引き立てる。そばは香りが立ち、甘さも感じる。また、薬味の大根おろしや大葉は清涼感をもたらし、輪切り唐辛子は味の変化のアクセントに。最後までいろいろな味を楽しめる一杯だった。

 【メモ】足利市利保町1の46の8。午前11時半~午後2時。夜は現在、予約制。テークアウトも可能。水曜定休。(問)0284・44・1183。

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