鹿沼市文化財に指定 木造妙見菩薩立像など3件
下野新聞
2020年5月25日
【鹿沼】市教委は23日までに、口粟野の妙見寺が所蔵する「木造妙見菩薩(ぼさつ)立像(武将形)」と「木造妙見菩薩倚像(いぞう)(童子形)」を市有形文化財に、北赤塚町の「北赤塚一里塚」を市史跡に指定した。市の指定文化財は129件、国と県指定を合わせると202件になった。
市文化財保護審議会(国立恵俊(こくりつけいしゅん)会長)が調査した。
同立像は高さ63センチ。鎧姿で中国の幻獣「霊亀(れいき)」の上に立ち、口を真一文字に結んだ怒りの形相をしている。同倚像は、高さ41・5センチ。両足を開いて椅子に座り、歯を見せて笑みを浮かべている。
いずれも杉材を使った寄せ木造りで、南北朝時代の制作とされる。妙見菩薩は北極星を神格化する妙見信仰の対象。県内では妙見の名を付けた中世の菩薩像は他になく、貴重という。
北赤塚一里塚は、江戸時代に整備された日光道中壬生通りに置かれた。西側のみ残っており、市内で唯一現存している。現状の規模は東西5・9メートル、南北12・2メートルの楕円(だえん)形。高さ約3メートルで、頂部には榎(えのき)がそびえる。
東側の塚は、横を通る国道352号の拡幅により約30年前に消滅していることから、指定による確実な保護が必要とみなされた。
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