アンコウとフグ食べ比べ 北茨城の旅館 新プラン開始

茨城新聞
2019年5月29日

北茨城市平潟町の「あんこうの宿 まるみつ旅館」は、「あんこう鍋」と、自社で養殖したトラフグを使った「北茨城とらふぐ汁」をぜいたくに食べ比べできる宿泊プランを始めた。東のアンコウ、西のフグと言われるほどの高級魚の双璧を味わえることをアピールポイントにしたい考えで、同旅館の武子能久社長は「将来的に平潟全体の名物になれば」と話している。

同旅館は、同市特産のアンコウに加え、トラフグを名物にしようと昨年2月、専門業者のノウハウを得て2千匹を飼育できる県内初の陸上養殖プラントを整備。現在は約700匹養殖している。

あんこう鍋はみそ仕立てで、新鮮な身や皮、野菜が入っている。とらふぐ汁は塩味で、養殖したトラフグを肉厚に切り、食べ応えがある。どちらもスープにあん肝をふんだんに溶かし、濃厚さとこくを出している。

毎年京都府で開催される「全国ご当地鍋フェスタ 鍋-1グランプリ」で同旅館は、2017年にあんこう鍋、18年にとらふぐ汁を出品しそれぞれ優勝。この2杯を一度に味わえるのが売りだ。

さらに食べ比べセットは、アンコウとトラフグを刺し身や、白子を含むソテー、唐揚げも用意。他に地元漁港直送の刺し身盛り、煮魚なども堪能できる。プランは2万7150円(1泊2食、2人1室利用時の1人当たり、税込み)から。

平潟町で民宿「汐騒の宿 暁園」を経営する仁井田康昌さんはセットを食べ、「アンコウとトラフグを食べ比べたのは初めてだったが、違いが分かるしPRにもなる」と話した。

武子社長は「アンコウは鍋など冬食べるのがメイン。夏も楽しめて1年中お客さんが来る町にしたい」と、トラフグを養殖しメニュー開発した経緯を説明。今後はフグを他の旅館や民宿、飲食店にも卸して広げ、店舗ごとにメニューが考案されればという青写真を描く。

また武子社長は、フグの町として知られる山口県下関市と「観光面で協力できるところは協力しながら、相乗効果を生みたい」と話した。

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