生しらす丼 波崎名物に 漁協が試験販売 神栖

茨城新聞
2015年9月30日

「生しらす丼を波崎の名物にしたい」との思いで、神栖市波崎のはさき漁協(石田洋一代表理事組合長)は、市内で生しらす丼の試験販売を始めた。鮮度が落ちやすく品質管理の難しい生シラスは新鮮さが〝命〟。そのため、加工業者によって釜揚げシラスに加工されることが一般的で、地元波崎漁港で水揚げされた生シラスも市内の数社がごく少量を販売するのみだ。しかし、釜揚げとは一味違った喉越しと、はじけるうまみで人気のある生シラス。同漁協は生しらす丼の提供を模索し、今後の同地域の漁業の活性化と観光力アップにつなげたい考えだ。

イワシやサバなどの巻き網漁業で国内屈指の漁獲量を誇る同漁港では、船曳(ふなびき)網漁業でのシラスの水揚げも多い。同漁港第2市場ではこの時季、帰港した漁船から下ろされた新鮮なシラスがずらりと並ぶ。しかし、シラスは保存が困難で数時間の搬送で色が変わってしまったりするため、生での流通はこれまで少なかった。神奈川県鎌倉市や静岡県駿河区の用宗(もちむね)漁港など生シラスが人気を博している地域も一部あるが、波崎地域も含めてほとんどの地域で生での提供が難しい状況だ。
「そうはいっても、テレビの旅番組などを見ても生シラスの需要はある。東京から片道2時間弱という地の利を生かし、隙間産業ともいえる生シラス業界に参入できないか」と、同漁協の担当者は企画の意図を語る。
「浜の活力再生プラン」と銘打った同企画。試験販売は9月5、19日の両日、神栖市大野原の鹿島セントラルホテルで行われた。ホテル利用者以外にも、高速バス乗り場の利用者など人の集まる同所での試験販売会場では、多くの人が1杯200円で提供された生しらす丼に舌鼓を打った。同市内から訪れた女性は「地元でもなかなか生シラスは食べられなかった。新鮮でおいしい」と、笑顔で頬張った。
〝足の早い〟生シラスの提供には課題が多いが、冷凍保存や最適な流通経路の確立、さらに的を絞ったマーケティング活動を同漁協は模索する。担当者は「ゆくゆくは市内の飲食店から『生しらす丼を出したい』と声が掛かり、生しらす丼を食べられる飲食店が増え、それが波崎の売りになれば」と意気込む。
3回目の生しらす丼試験販売は10月3日午前11時から鹿島セントラルホテルで行われる。ただし、漁の状況により変更がある。

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