まえけん 北茨城の魚介 チップスに

茨城新聞
2019年8月27日

水産加工のまえけん(北茨城市大津町、前田賢一社長)は、地元で水揚げされたアンコウなどの魚介をチップスにした商品の販売を本格化させる。100度以下の食用油で加熱する「低温真空フライ製法」を採用し、素材本来の風味や色を残しつつ、サクサクとした食感に仕上げた。県内の宿泊施設や観光拠点を中心に売り上げを伸ばす中、海外展開も視野に「地産外商」を進める。

まえけんが販売するのは「ひとすじシリーズ」で、地元の大津漁港で水揚げされたアンコウやシラス、タコ、フグ、ホッキ貝を原材料に使った5種類をそろえる。いずれも1パック40グラム。オープン価格だが、税別780円前後を想定する。

真空状態のフライヤーの中で、かごに入った魚介を1時間ほど食用油にくぐらせると「水分が抜けて味が凝縮する」(前田社長)という。設備投資額は計1400万円で「ものづくり補助金」などを活用した。

新鮮なまま冷凍した魚介を使い、夏場などの廉価な時期に大量に仕入れることで製造原価を軽減。商品は常温で4カ月間保存できるため、土産品にも最適とする。

まえけんは2016年2月創業。前田社長は父親と共に飲食店「食彩太信(だいしん)」を地元で経営する傍ら、「地魚を土産品にしたい」との思いから同社を立ち上げた。市商工会主催の新分野進出に向けたプログラムを受講し、補助金などの公的資金を受けたことで法人設立が円滑に進んだという。

さらに同漁港で鮮魚を直接買い付ける権利により、地元の魚介を安定的に仕入れる環境を整えた。飲食店に隣接する作業場にフライヤーを設置し、商品の生産に取り組む。

地元の宿泊施設や観光案内所での販売を皮切りに、県内の道の駅や常磐自動車道下り線友部サービスエリア(笠間市)などに販路を広げた。7月下旬に東京・銀座の県アンテナショップ「イバラキセンス」での取り扱いを始め、最近では月600パックを出荷する好評ぶりだ。9月には約20カ国のバイヤーがそろう商談会に出品し、海外展開も視野に入れる。

前田社長は「将来的には工場を造り、生産量を増やしたい」と語り、新商品の開発にも意欲を示した。

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