風神雷神“勇姿”二天門に 日光山輪王寺 1年半かけ、複製像完成 きょうから一般公開
【日光】日光山輪王寺所蔵で、かつては日光東照宮・陽明門にあった木像「風神」「雷神」の複製像が完成し、14日に安置場所である大猷院(たいゆういん)の国重要文化財「二天門」に置かれた。輪王寺宝物殿で保存展示される実物とうり二つの仕上がりで、15日から一般公開する。
複製像は、鹿沼市の仏像修理工房「三乗堂」を営む女性職人中愛(なかあい)さん(29)、井村香澄(いむらかすみ)さん(30)、森崎礼子(もりさきれいこ)さん(30)の3人が約1年半かけて製作した。ヒノキの寄せ木造りで、高さは台座を含めて約2・9メートル。費用の一部はクラウドファンディングで募り、230人から、目標の300万円を大きく超える約413万円が集まった。
二天門周辺は寒暖の差が大きく湿気がたまりやすいため、塗料は実験的に化学素材を使ったが、3人の彫刻と彩色の技術で迫力ある像に仕上がった。13日に風神を二天門へ安置。14日は観光客が見守る中、雷神を慎重に運び入れた。
完成を受け、輪王寺は20日、2体の像へ魂を入れる法要を開く予定だ。
中さんは「多数の支援者の思いが詰まった像。二天門を守るだけでなく、祈りの対象にもなる」。井村さんは「無事完成して安心したが、厳しい環境なので定期的に様子を見たい」。森崎さんは「二天門に受け入れてもらえたような気がする」と話していた。