世界湖沼会議in茨城 つくばで学生会議 霞ケ浦「命支える母」 研究発表討議

茨城新聞
2018年10月15日

第17回世界湖沼会議の開幕を前に、小中高校生が水や湖沼に関する研究などを発表し合う「学生会議」が14日、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。海外を含む県内外77の学校・団体から参加した児童生徒たちが、研究発表や討議を通じ、豊かな水環境と共に生きる未来の在り方を考えた。

学生会議は子どもたちの意識の向上を図ろうと、世界湖沼会議の一環として開かれた。

小中高校の各部に分かれた研究発表で、霞ケ浦北端に近い小美玉市立玉里東小は、20年以上続く浮葉植物アサザの植栽活動を紹介。護岸に広がるヨシ原には多様な水鳥が生息しており、陽美日彩さんら6年生5人が「霞ケ浦は多くの人や動植物の命を支える、母なる湖」と環境保全の大切さを訴えた。

また、石岡市立国府中の生徒は、霞ケ浦流入河川の一つ、恋瀬川の水質調査と水質浄化の実験について発表。水田の土などには、水質悪化の原因となる窒素を空気中に逃がす効果がある点を紹介し、この「脱窒菌」が働く環境づくりの推進を提案した。

さらに、除草作業で出た枯れ草が河川敷に放置されている例があり、川に流入すると汚染の原因になると問題提起。同中1年の山本成美さんは「湖や川に皆が関心を持ち、皆で守っていきたい」と訴えた。

参加者による討議は「自然のめぐみ 命を育む水」をテーマに行われ、高校の部には愛知、滋賀、岡山3県と大阪府からの参加者と共に、本県から竹園高(つくば市)と逆川こどもエコクラブ(水戸市)のメンバーが登壇した。

竹園高は、地元のNPO団体と連携して宍塚大池(土浦市)周辺で行う自然農法による古代米づくりを、同クラブは千波湖に湿地帯を復活させる「ビオトープ隊」の取り組みなどを紹介。それぞれ活動を継続させていくことの重要性を強調した。

15日午前の世界湖沼会議の開会式では、学生会議の代表者による総括発表が予定されている。

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