《食いこ》里カフェ(茨城・常総市) 地産食材の魅力まるっと

茨城新聞
2023年9月3日

茨城県常総市の野外研修施設「水海道あすなろの里」内にあるカフェレストラン「里カフェ」。同市産の食材をふんだんに使い、訪れる客に茨城や同市の魅力を発信している。

菅生沼の水面をイメージしたロゴが目印

 

1番人気の「里御膳」の紹介文は「まるっと常総産メニュー」。メインは茨城県の銘柄豚ローズポークと野菜のみそ漬け焼きで、野菜もみそも同市のものを使う。主食は白米か発酵玄米から選べ、こちらも同市産。6品ほど付く季節の小鉢も、できるだけ地元の野菜を取り入れる。

アルパカをモチーフにしたカレーとケーキ

 

カフェメニューも、地元の食材を使う姿勢は変わらず、市産そば粉のガレットやパンケーキが評判を呼んでいる。茨城県西地域特産の「さしま茶」を生地に混ぜ込みあずきを巻いた「あずき抹茶ロール」は同店の自信作だ。

同施設は地元の小中学生らに宿泊学習や合宿で利用され、同店はその食堂棟を改装した。運営は出張理髪店などを手がけるマーケット・フィールド・インターナショナル(同県守谷市)。地元出身の小林隆志同社長(46)が2020年3月末の食堂閉鎖を受け、「あすなろの里のにぎわいを戻したい」と異業種ながら飲食店の出店を決意。同年6月にオープンした。

地域活性化を第一に掲げる。「もっと安く、もっと安定需給できるのは分かっているが、それでは意味がない」と市産食材にとことんこだわる。手探り状態だった初期は、いわゆる「普通の」ハンバーグやハンバーガーを提供。売れ行きは好調だったが店の「特徴がない」と販売をやめた。徐々に郷土色を強め、けんちんそばなどをメニューに加えた。

同施設内の動物園で飼育するアルパカをモチーフにしたメニューも、オリジナルを追求する中で生まれた。ご飯とチーズ、ノリでアルパカを形作る「お子様カレー」や、マフィンを生クリームなどで飾った「アルパカケーキ」があり、家族連れなどに喜ばれている。「作業が難しく、同じ顔は二度とない」と笑う。

菅生沼のほとりに位置し、茨城県自然博物館(同県坂東市)から遊歩道がつながる。夏は新緑、秋は紅葉、冬は白鳥、春は桜。四季折々の風景に癒やされ、「食事と散策を楽しんで」と話した。

■お出かけ情報
里カフェ
▽常総市大塚戸町310(あすなろの里内)
▽営業時間は午前11時~午後4時半ラストオーダー
▽定休日は月曜
▽(電)0297(27)2364