《食いこ》レストランSHED(茨城・境町) 県産食材ふんだんガパオ

茨城新聞
2022年11月17日

茨城の味がぎゅっと詰まった新料理「いばらきガパオ」。茨城県観光物産課によると、この料理を提供する飲食店は、県内10カ所ほどに限られているという。予約なしでも食べられると聞いて、境町の道の駅さかいの一角にある「さかい河岸(かし)レストラン茶蔵」内の「レストラン シェド」に向かった。

店舗は建築家の隈研吾さんが設計

 

いばらきガパオは2020年、地域の宝と呼べるメニューを作ろうと、県主催の「茨城新名物料理コンテスト」で生まれた。タイの国民食「ガパオライス」を日本人向けにアレンジし、レンコンや米、鶏肉など茨城県産の食材をたっぷり使っているのが最大の特徴だ。

250件を超す応募の中からグランプリに輝いた一品で、食のプロデュース会社「CONVEY(コンベイ)」のシェフによって磨きをかけられ完成。各店それぞれがアレンジし、工夫を凝らした味が楽しめる。

レストランでは今年2月から〝ニューフェース〟としていばらきガパオが加わった。境町観光協会から「(さかい河岸レストラン茶蔵は)町のシンボル的な場所。ぜひ提供してほしい」などと依頼があったという。山本勝之シェフ(55)は「面白い企画。茨城や境町の食材をどれだけPRできるか」と、スタッフと挑戦し約1カ月間試作を重ね仕上げた。

材料には土浦産のレンコン、境町産のコシヒカリ、小美玉市産の卵、道の駅さかいに並ぶ、朝採りのパプリカやスイートバジルなど野菜がたっぷり使われる。中でも新鮮な野菜が一推しという。毎朝、道の駅の直売所に並べられる野菜を材料にしているためだ。当初、数カ月間の期間限定販売だったが、予想を上回る人気のため、今では季節問わずに提供する。

赤や黄、緑色などの彩りが食欲をそそる。ご飯に添えた半熟卵を崩して一口頬張ると、シャキシャキのレンコンに、ナンプラーの香りと程よい辛味が広がった。「本場タイの味に近づけ、エスニック感を追求した。町の野菜や県産食材のおいしさを新発見してほしい」と山本さん。

店内にはパティシエが手がけたお菓子なども並ぶ。町の拠点から新たな茨城の食が発信されている。

■お出かけ情報
レストラン SHED
▽境町1341の1
▽営業時間は午前11時~午後4時
▽いばらきガパオは850円。(テイクアウトも可)。ビスコッティは280円。パンプキン&クリームチーズマフィンは360円。
▽(電)0280(33)6605