陶磁や漆芸の秀作一堂に 伝統工芸茨城展 笠間・27日まで

茨城新聞
2022年11月17日

日本工芸会東日本支部に所属する県内の工芸家でつくる茨城研究会主催の「伝統工芸茨城展」が、茨城県笠間市笠間の笠間工芸の丘クラフトギャラリーで開かれている。会員22人の秀作約250点を一堂に展示。陶磁や漆芸など、各分野の工芸作家の技量と創造性を堪能できる内容になっている。会期は27日まで。

同展は隔年で開催され、今回で18回目。会場は意匠を凝らした大作のほか、日用使いの小物の器なども並ぶ。会員の個性が表現された逸品ぞろいで、過去から受け継がれてきた美術「伝統工芸」の現在が伝わる。

木漆工芸家、辻徹さん(常陸大宮市)の「桑拭漆八稜箱」は、素材に使った桑の輝きを生かした木製の箱で、美しい木目の色味が見る角度によって変わる。漆芸家、櫻井裕子さん(つくば市)の漆箱「春草沈金乾漆箱」は、細かい草の彫文様に目を奪われる。

同会は重要無形文化財保持者(人間国宝)の陶芸家、松井康成氏=故人=の発案により、茨城県工芸家のさらなる向上を目的に設立された。同会幹事長を務める浦口雅行さん(石岡市)は「『伝統工芸とは何か』を皆さんに伝えたい。技術と創造性に裏打ちされた逸品の数々を、ぜひ会場で見てほしい」と話す。

午前10時~午後5時(最終日は同4時まで)。月曜休館。