北茨城出身の画家に焦点 企画展、掛け軸や額装 市歴史民俗資料館

茨城県北茨城市出身の近代日本画家やゆかりある美術家に焦点を当てる企画展「北茨城市の近代日本画」が、同市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で開かれている。飛田(ひだ)周山らが描いた掛け軸や額装、色紙、書籍計13点を展示。普段は見ることができない貴重な作品を楽しめる。同展は6月1日まで。
同市出身の飛田が描いた日本画を最も多く展示。中でも、霧中の修験者を描いた縦約234センチ、横147センチの晩年の大作「大峯の行者」が目を引く。飛田は新たな日本画法を目指して五浦の地で研究していた岡倉天心や横山大観らと交流があり、その影響を受けていたことを作品からうかがい知ることができる。
飛田が出生地から程近い地元の市立明徳小に寄贈した「怒涛」や太平洋戦争を題材にした作品も並ぶ。
このほか、いずれも同市出身の山形皆空の山水画や中国の故事をモチーフにした佐藤暁関の力作、野口雨情の伯父、野口勝一が日本画の画法を記した「画法自在」なども展示されている。
同展を企画した市教委生涯学習課の学芸員、早川麗司さん(50)は「名前を知らない市民もいる。改めて、北茨城市ゆかりの画家に注目してもらえれば、うれしい」とPRした。
午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。月曜休館。入館料は一般320円、学生100円、市外65歳以上200円。市内65歳以上と小中学生などは無料。