板谷波山と茨城・筑西の魅力発信 市内の3美術館 生誕150年展、4月開催
茨城県筑西市出身の陶芸家で文化勲章受章者の板谷波山(1872~1963年)が本年3月、生誕150年を迎える。市は4月16日から、記念展「板谷波山の陶芸~麗しき作品と生涯」(同市主催)を、しもだて美術館(同市丙)、波山の生家を保管する板谷波山記念館(同市甲)、私立の廣澤美術館(同市大塚)の市内3美術館で同時開催する。会期は6月19日まで。
市は記念展開催を通し、波山の人物・業績について市民に改めて理解を深めてもらうと同時に、波山を生んだ同地の魅力を全国に発信する狙いがある。
見どころは、泉屋博古館東京(東京都港区)所蔵の国指定重要文化財「葆光彩磁珍果文花瓶」(1917年)をはじめ、出光美術館、国立工芸館、MOA美術館などが所蔵する波山の代表作を全国から「里帰り」させる点だ。3館の展示する総作品数は約180点。うち、廣澤美術館の所蔵する大正後期の名品「彩磁草花文花瓶」を含む約50点は初公開となる。
板谷波山記念館は、記念展に合わせ、波山生前の東京・田端の工房を館内に詳細に再現する。また、敦井美術館(新潟市)所蔵の国指定重要文化財「彩磁禽果文花瓶」(1926年)などを撮影した4K解像度の高画質動画を公開する。
展示品は筑西市での公開後、6月から石川、9月から京都、11月から東京の各都府県の巡回展で披露された後、2023年1月から県陶芸美術館(笠間市)で公開される。展示品の内容は各地で変わり、展示数は筑西市が最多になる。
実行委員長を務める須藤茂市長は「皆さまに多数お越しいただき、その作品の素晴らしさに触れていただくとともに、本市の魅力を発信する機会になれば」と意欲を示した。
問い合わせは、しもだて美術館(電)0296(23)1601。