城址公園そばへ 「青源味噌」移転 「発酵の力」発信する場に 仕込み体験や物販、多彩
宇都宮市役所と宇都宮城址(じょうし)公園に挟まれた一角に石蔵を思わせる建物がお目見えした。米問屋として創業した1625年から三番町で営業を続けてきた老舗「青源味噌(みそ)」が、旭1丁目に本社を移転した。
工場は下野市に移転したため、みそは造っていない。代わりに「発酵を多くの方に体験してもらう場」(青木敬信(あおきたかのぶ)社長)としての役割を担う。発酵専門店「青源本店」として、みそなどの発酵食品をPRする。
三番町時代も20年ほど前からみそ仕込み教室を開いており、発酵食品が持つ力を青木社長がひもとく「発酵勉強会」も人気を博していた。移転を機に、健康面のみならず発酵食品が持つ力を幅広い世代にアピールしようとアイデアを練る。
みそ玉作りや高校生向けのみそ仕込み教室をはじめ、夏休みの自由研究として小学生がみそ造りを学べる講座など、企画はめじろ押しだ。
1階の物販エリアでは常時4種類のみそを量り売りする。7月からは甘酒を使ったスムージーもお目見えした。テークアウトメニューのみそおにぎりとみそ汁、ソフトクリームに使用するみそは7種類を週替わりで使う。青木社長は「お客さまは食べ続けるみそを簡単に替えない。違う味を知ってみその奥深さを知ってほしい」と狙いを話す。
食文化の多様化でみその消費量は減っている。「若い人がみそや発酵食品を面白いと感じるきっかけにしたい」。青木社長の願いだ。
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