花手水巡り 心癒やして コロナ下 県内6神社が協力

上毛新聞
2021年7月2日

 県内六つの神社が30日、手水舎を花で彩る「花手水」を一斉に行い、参拝客に各神社を巡ってもらう「花手水めぐり」を始めた。コロナ下でも多くの人に癒やしの時間を届けようと、それぞれが趣向を凝らした演出で出迎える。関係者は相乗効果に期待している。11日まで。

 新型コロナの感染防止対策の一環で、参拝時に柄杓(ひしゃく)を使った手の清めを取りやめる代わりに、花手水を行う神社が全国的に増えている。その色彩の美しさが「写真映えする」と、会員制交流サイト(SNS)などで話題となってきた。

 今回参加しているのは、玉村八幡宮(玉村町)、於菊稲荷神社(高崎市)、進雄神社(同)、倉賀野神社(同)、富士浅間神社(藤岡市)、飯福神社(伊勢崎市)。

 玉村八幡宮は以前から単独で花手水を行ってきた。写真撮影を楽しむ参拝客が毎日のように訪れるという。今回の企画では、縁のある神社同士が同時に行うことで話題性を高め、神社に一層の親しみを持ってもらうことを狙った。禰宜(ねぎ)の梅林健二さん(45)は「他の神社と協力することで一層盛り上がる」と期待する。

 演出は各神社によってさまざまだ。玉村八幡宮では青や紫のアジサイを中心に飾る。期間中は、1年の折り返しに詣でる「夏詣(なつもうで)」と重なり、夜はライトアップされた境内で花手水を楽しめる。

 富士浅間神社では、水中にライトを沈めてアジサイやトルコキキョウなどを照らし出す。禰宜の小峯孝洋さん(41)は「コロナ下で参拝客が減っていた。今まで花手水はやっていなかったが、関心を寄せてくれるきっかけになれば」と話している。

 各神社の住所や電話番号などを記載したチラシや専用ホームページも作り、協力してPRしている。梅林さんは「コロナで初詣に行けなかった人もいる。これを機に各地の神社にも立ち寄ってもらい、神社巡りが広がってほしい」と話している。(中里圭秀)