奥日光歌ケ浜に新路線 東武バス日光 中禅寺湖畔、回遊性向上へ 来月から乗り入れ試行
【日光】東武バス日光は20日までに、奥日光の歌ケ浜方面に新たな路線バスを4~11月末に試験的に乗り入れることを決めた。数年前から地元関係者らが要望し実現した。遊覧船などを組み合わせて活用することで中禅寺湖畔一帯の回遊性が向上し、観光客の滞在時間延長などが期待される。同社の担当者は「新型コロナウイルスの影響でバス事業者も大きな打撃を受けている。地元と互いに協力し、この路線が活性化のきっかけになれば」と話した。
奥日光での同社の路線バスは湯元温泉方面に運行しているほか、毎年7~11月中旬は半月山方面に季節運行している。今回、半月山行きの中間地点にある歌ケ浜付近の立木観音・遊覧船発着所バス停で折り返す路線を設け、試験運行する。
新路線は中禅寺温泉バス停を出発し、「星野リゾート界日光入口」「県営南駐車場」「立木観音・遊覧船発着所」のバス停3カ所に停車する。往復計20本運行し、料金は立木観音・遊覧船発着所まで170円。県も協力し、バスの折り返しに必要な回転場は県管理の歌ケ浜第一駐車場を活用する。
このほか、季節運行の半月山行きの路線は今年、例年より運行時期を早め5月15日~11月14日、往復計15本運行する予定。
歌ケ浜方面には土産物店が立ち並び、中禅寺立木観音や英国、イタリア両大使館別荘記念公園などの観光名所が点在。今回は3年ほど前から、地域で路線を要望する声があり、同社がそれに応える形となった。
中宮祠自治会長の小島喜美男(こじまきみお)さん(71)は「中禅寺湖畔にはいろんな見どころがあるが歩くと少し遠い。観光地として利便性が向上するので、今後もっと盛り上げていきたい」と期待。立木観音の人見良典(ひとみりょうてん)執行(しぎょう)も「(東武バス日光は)損得なく地元のために一肌脱いでくれた。とてもありがたい」と感謝した。
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