丸木夫妻の「原爆の図」 70年ぶり県内公開 大川美術館で企画展
水墨画家の丸木位里(いり)(1901~95年)と、洋画家の俊(とし)(1912~2000年)夫妻が共作した「原爆の図」を紹介する企画展が16日、群馬県桐生市の大川美術館(田中淳館長)で始まった。1951年に桐生や前橋で開かれた巡回展から70年ぶりの披露で、デッサン約30点などと合わせて展示する。3月14日まで。
丸木夫妻は被爆直後の広島の惨状を目の当たりにして、代表作となる連作絵画「原爆の図」を描き始めた。51年2月、桐生市にあったモリマサ百貨店で同作品(再制作版)がデッサン50点とともに展示されたという。
今回は広島市現代美術館の所蔵作品を中心に紹介する第2弾で、「70年目の原爆の図」と題して開催。メインとなる同館所蔵の「原爆の図 第1部 幽霊」(再制作版)は縦1.8メートル、横7.2メートルというびょうぶ仕立ての大作で、悲惨な被爆者の姿を墨で表現した。
この他、原爆の図丸木美術館(埼玉県)が所蔵する原爆の図デッサンや、巡回展の目録などを展示。桐生市出身の写真家、石内都さんが被爆者の遺品の洋服を撮影した「ひろしま♯71」(広島市現代美術館所蔵)も特別出品されている。
午前10時~午後5時。入館料は一般1000円、大学・高校生600円、小中学生300円。月曜休館。問い合わせは同館(0277-46-3300)へ。