前橋藩と朔太郎の関係探る 没後80年記念前に企画展 全国で開催
前橋藩と前橋市出身の詩人、萩原朔太郎の関係を紹介する「前橋藩から朔太郎へ~母方八木家と藩士諸家の文書展~」が6日、同市の県立文書館で始まった。朔太郎をテーマに全国で一斉開催する「萩原朔太郎大全2022」(同実行委主催)の一環。10月からの本期間を前に、県内の機運を高める。12月25日まで。
八木家は朔太郎の母方であり、松平大和守家に仕えた。祖は八木隼人で、以前は本願寺の家臣として仕えていたとみられる。展示では前橋藩主も務めた松平大和守家に関する資料や、朔太郎の祖父にあたる八木始(長綱)が残した手記の複製を見ることができる。
同館古文書係の須藤聡係長は「歴史上有名な人物関連の文書を持っているなど、八木家は面白い家。朔太郎のバックボーンにさかのぼって歴史を知ってもらいたい」と話している。
朔太郎大全は、朔太郎没後80年を記念して開催され、全国計52の団体と施設が企画展などを予定している。10月から来年1月までを本期間として、開催地と朔太郎のゆかりを探る展示や、地元文学者らと朔太郎の関わりを掘り下げるなど、各団体施設が特色ある企画を展開する。
文書館の企画展は午前9時~午後5時。観覧料は無料。同館のほか、白鳥省吾記念館(宮城県)、室生犀星記念館(石川県)、堀辰雄文学記念館(長野県)でも本期間に先駆けて、それぞれのテーマで企画展を開催している。