米粉バウム製造販売へ 筑波農場 付加価値向上図る 自社ブランド米使用

茨城新聞
2021年1月8日

コメ生産販売の筑波農場(つくば市小田、小久保貴史社長)は自社ブランド「常陸小田米」の米粉を使ったバウムクーヘンの製造販売に本格的に乗り出す。自社直売所などで販売し、コメの付加価値向上を図るとともに、つくばの特産品を目指すことで地域活性化につなげたい考えだ。

バウムクーヘンは米粉100%で、乾燥前のひきたての生米粉を使い、ふわっとしっとりとした食感で柔らかな舌触りが特徴。つくば市内で生産された平飼い卵を使った商品も計画している。

筑波山にある自社直売所「釜炊きおにぎり 筑波山縁むすび」(同市筑波)内に加工場を設けて焼き器を導入。箱作りやシール貼りなどの作業は障害者らに委託し、農福連携にも取り組む。

バウムクーヘンの加工場を設けた筑波農場の直売所「釜炊きおにぎり 筑波山縁むすび」=つくば市筑波

同社は、2014年から「常陸小田米」を使ったおにぎりの製造販売と直売所の運営を開始。「常陸小田米」のブランド力や地域活性化をさらに強めるために、おにぎりに続く6次産業化の第2弾として幅広い客層を獲得できるバウムクーヘンの製造を決めた。

商品は今月から、同直売所で米粉の加工品自社ブランド「筑波喜右衛門(きゅうえもん)」としてソフトとハードタイプ2種類を販売。今後、ホテルや土産店への卸売りも行う。

小久保社長の長男で同社社員の凌さん(25)が社長を務めるバウムクーヘン販売会社、Opusが運営するグルテンフリーバウムクーヘン専門店「LA VORO(ラボーロ)」(同市学園の森)にも今月下旬から卸す。これまで「常陸小田米」の米粉を使ったバウムクーヘンを他社に委託製造し販売していたが、筑波農場製造の商品に切り替える。

生クリームを多く使用したソフトタイプや、もちっとして外はさっくりのハードタイプのほか、カット商品や詰め合わせをそろえる予定。同専門店の化粧箱は緑色が印象的な高級感があるデザインで、店舗ではつくば市で制作するプリザーブドフラワーなどの雑貨も販売する。凌さんは「地産品で贈り物になる商品をそろえた。コメの消費が減る中、加工品の形で提供することでコメの魅力を再認識してもらいたい」と力を込めた。

筑波農場は06年設立。有機肥料を使い農薬を最小限に抑えた「常陸小田米」のほか、もち米や米粉用の品種などを農地約80ヘクタールで栽培し直接販売を行う。おにぎりの製造販売や米粉を使った加工品の販売など6次産業化にも積極的に取り組んでいる。

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