ヤマユリ甘い香り 利根・大平野生植物園

茨城新聞
2020年7月9日

亡き地主の遺志を受け継いだ地域住民が、10年以上にわたって整備する利根町大平(だいへい)の里山「大平野生植物園」で、ヤマユリが見頃になっている。優雅な立ち姿と甘い香りが訪れた人たちを出迎えている。見頃は今週いっぱい。

里山を整備するのは定年退職した住民でつくるボランティア団体。元々同町の五十嵐五郎さんが自然に触れる場をつくりたいと、所有する里山を植物園として約40年前から開放していたが死去後、整備の手が入らず10年以上荒れた状態だった。

五十嵐さんの遺志を受け継ぎ、里山に人を呼び戻したいと、ボランティア団体が2009年から竹を切ったり、遊歩道を敷設したりするなど整備。12年からヤマユリを植え始めた。

山頂は遊歩道沿いにヤマユリが咲き誇り、甘い香りに包まれている。同植物園の園長を務める倉本末次(すえつぐ)さん(78)は「ヤマユリは今、千株ほどが自生している。一年中、豊かな自然と触れ合える場に再生できた」と手応えを話した。

問い合わせは倉本さん(電)080(3174)8458

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