はやぶさ2挑戦星空に映し出す 高崎市少年科学館 プラネタリウム番組共同製作

上毛新聞
2022年4月9日

小惑星りゅうぐうから石や砂を持ち帰った探査機「はやぶさ2」の挑戦を支えた群馬県などの技術者らの熱い思いを紹介するプラネタリウム番組が、群馬県高崎市末広町の市少年科学館で公開されている。同館と日本科学未来館(東京都江東区)が共同で企画製作した。製作陣は「番組を通じ、技術者や研究者が思いを一つにして挑戦したことを垣間見てほしい」と話している。

「INHERIT~はやぶさ2・そらへの夢と挑戦をのせて」と題する約30分番組。技術や情熱の「継承(インヘリット)」をテーマに、技術者や研究者へのインタビューを紹介している。 本県からはカプセル表面を耐熱材で保護する「ヒートシールド」などを担当したIHIエアロスペース富岡事業所(富岡市)の笹木正裕さんが登場する。

CM・映像ディレクターの新井総さんを監督に迎え、JAXA宇宙科学研究所はやぶさ2プロジェクトの吉川真さんが監修。群馬、福島、神奈川、宮城の4県の中小企業を訪ね、約1年かけて製作した。俳優の佐々木蔵之介さんらが声を担当している。

日本科学未来館が地域の科学館と共同でプラネタリウム番組を企画製作するのは初めて。市少年科学館が30年以上オリジナル番組を企画製作してきたことなどが評価され、白羽の矢が立った。

3月末まで同館の天文課長を務め、オリジナル番組の製作に長く関わってきた小山弘宣さん(56)は打診を受けた際の喜びを「これまでの独自番組が今回の共同製作に結び付いた。やってきたことは無駄ではなかった」と振り返る。作品について「企業ごとにそれぞれの技術や思いの継承がある。番組を見てたくさんの人に知ってもらいたい」と話している。 6月5日まで公開(5月31日は休止)し、その後については検討中。月曜休館。一般320円、中学生以下無料。日本科学未来館でも16日から公開される。問い合わせは市少年科学館(☎027-321-0323)へ。