矢島工場展示の「初鷹」 戦後初 国産ジェット

上毛新聞
2016年9月12日

《駆け続け1世紀 SUBARUの街から》

ㅤ富士重工業宇都宮製作所(栃木県)で造られた戦後初の国産ジェット機、T―1。「初鷹(たか)」と名付けられ、航空自衛隊パイロットの教育や航空管制官養成のための模擬機として活躍した。1機が2007年から同社矢島工場(太田市庄屋町)に展示されている。
ㅤ初鷹は国内航空機メーカー各社の技術の結晶。機体生産は富士重が中心となり、尾翼を三菱重工業、後部胴体を川崎重工業、燃料タンクを新明和工業がそれぞれ担当。安定した操作性能は欧米の水準をしのぎ、技術の高さを世界に示した。
ㅤ展示機は1962年に納入。43年5カ月間、約6820時間の飛行任務を終え、惜しまれつつ引退した。航空機ファンや工場見学で訪れる子どもが、勇姿に魅了されている。