金付着の「坩堝」見て 岩櫃城出土品町役場で展示

上毛新聞
2021年8月4日

 地元の遺物を間近に感じてもらおうと、東吾妻町教育委員会は、国指定史跡の岩櫃城跡から出土した金の粒子が付着した「坩堝(るつぼ)」の展示を2日、町役場2階で始めた=写真。9月10日まで(前期は今月20日まで。後期は今月23日~9月10日)。

 坩堝は金属加工作業に用いられる皿形の容器で、戦国時代の山城で本丸に位置する場所から出土し、金の粒子が付いた状態で発見されたのは全国初とみられる。スズや鉛が付着した坩堝や鉄を精錬する際に発生する不純物「鉄(てっ)滓(さい)」など金属関連の遺物も複数発見されており、金属加工の作業場があったとみられる。

 展示では坩堝2点のほか、前期では鉄滓や銅がさびて緑青が浮いた「銅塊(どうかい)」などを、後期は銅銭や鉄砲玉などの出土品をそれぞれ展示する。

 町教委の担当者は「実物を見てもらう機会は少ないので、実際に目にすることで身近に感じてほしい」と話している。

 見学は平日の午前8時半~午後5時15分。問い合わせは町社会教育課(0279-68-2111)へ。(桜井俊大)