蔵を改装、人が集う場所に カフェ・ドゥ・オリーブ(みはし通り) 中村康子さん(56)

下野新聞
2021年7月11日

 平和の象徴であるオリーブを店名にしたのは、にこやかに人々が集うような場になったらいいな、という思いからです。実家の「鰻割烹(うなぎかっぽう) 中村」の改修を機に、2013年、大谷石の蔵をカフェにしました。戦後間もなく祖父が建てた蔵は、季節ごとの器とか店の物入れになっていました。父に叱られて閉じ込められた思い出もありますよ。

 「中村」には、かつて数十人が働いていて、みはし通りには芸者さんの人力車が並んだそうです。生まれも育ちもここなので、商店街の人たちとは気心が知れていますし、今でも「ちゃん付け」で付き合えるのは、幸せなことですよね。

 釜川が改修され、子どもの頃から遊んでいた通りは、とてもきれいになりました。ただ、近所の人が集まるようなお店は減ってしまったので、かしこまらず、ちょっとお茶が飲めるような店にしたかったんです。

 カウンターと2階のテーブルは「中村」の床柱をリメークしたもの。人気メニューのハンバーグは、板前さんのまかないを少しずつ自分なりにアレンジしました。季節のパフェやパウンドケーキなど、デザートにも力を入れています。コロナ禍で厳しい状況が続いていますが、ご近所さんに助けられ、できるだけ手作りにこだわった、居心地のいい空間を提供していけたらと頑張っています。

 【メモ】宇都宮市中央本町1の12。(問)028・634・3422▽営業時間 午前11時30分~午後5時▽定休日 日、月曜日▽一押し商品 チーズハンバーグ▽宇都宮を一言で言うと 安全安心な街

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