水面にも美しき古墳 大田原

下野新聞
2021年5月7日

 【大田原】「日本一美しい古墳」とされる湯津上の下侍塚古墳の東側水田が水鏡となって、同古墳の姿を映し出している。

 水田は、同所、農業植竹信助(うえたけしんすけ)さん(63)の所有。4月下旬に水を引き始め、今月に入り代かきを終えた。週末に田植えをする予定という。

 古墳の保護活動をする侍塚古墳松守会長の平野精一(ひらのせいいち)さん(81)と妻秀子(ひでこ)さん(76)は「田植え前の、風のない穏やかな一瞬にしか、きれいに映し出されない。水に映った姿も、日本一美しい」と話していた。

 同古墳は江戸時代、徳川光圀(とくがわみつくに)の命で日本考古学史上初の学術的発掘調査が行われた。発掘後には松が植えられ、その美観から「日本一美しい古墳」と称されている。県は光圀の業績確認などのため、本年度から同古墳の再発掘事業に取り組む。

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