《食いこ》珍しい洋野菜を売り場に JA常陸道の駅常陸大宮出荷部会

茨城新聞
2020年4月28日

 ゆったりと流れる久慈川の景観が楽しめる道の駅常陸大宮かわプラザ。農産物や特産品などが並ぶ直売所で、フリルのように縮れた葉のカリーノケール、茎がおいしいカリフラワーの仲間カリフローレなど、なじみの薄い洋野菜売り場がひときわ目を引く。カラフルなポップで特徴や食べ方などを紹介していた。

かわプラザの直売所にある洋野菜コーナー


 
 直売所に新鮮な農産物や加工品などを届けるのはJA常陸道の駅常陸大宮出荷部会(笹島邦男部会長)。常陸大宮市内の生産者約300人で組織し、そのうち約20人が洋野菜を出荷。赤色の根菜ビーツ、緑や白の変わったナスなど季節ごとに洋野菜が売り場を彩る。
 
 JA常陸では2011年ごろから全国的に生産量が少なく、付加価値のある洋野菜の栽培に取り組み、東京市場に出荷している。16年にオープンしたかわプラザの直売所でも洋野菜を目玉に据えた。イベントで洋野菜の魅力を伝えてきた。
 
 洋野菜の中でもカリーノケールに注目した。青汁に使われるケールを生でも食べやすいように苦味や青臭さを抑えた品種。緑と赤の葉がある。同部会員で栽培農家の古田土正さん(64)、千春さん(65)夫妻を訪ねた。家庭菜園をたしなむ程度だったが、千春さんの定年退職に合わせ、正さんも勤めを辞め、本格的に農業を始めて4年目になる。「みんなが作らない野菜にチャレンジしよう」と黒キャベツのカーボロネロ、ロメインレタスなど洋野菜を中心に農作物を育てる。
 
 春作と秋作で長い期間収穫できるカリーノケール。夫妻はハウスで秋作を行っており、冬から今年は5月の連休ごろまで収穫を見込む。かわプラザと市内の直売所のほか、同JAから東京の市場にも出荷している。
 
 夫妻の作る野菜が大好きな孫の市立御前山小4年、瑠耶君と同2年、真那さんは新型コロナウイルスの影響で休校中、農作業をお手伝い。2人は何も付けずに生のカリーノケールをぱくぱく食べる。千春さんが作るサラダやスムージー、天ぷらも大好物。「孫たちに食べさせられる安全で安心な野菜を栽培したい」。それが夫妻の思いだ。(佐野香織、写真は鹿嶋栄寿)
 
 ■メモ
 道の駅常陸大宮かわプラザ▽住所は常陸大宮市岩崎717の1
 ▽新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、館内は直売所のみ平日午前9時~午後5時(通常は同6時)営業、土・日・祝日は全館休館(通常は第3木曜定休)。変更になる場合もある
 ▽(電)0295(58)5038

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