県境稜線トレイル 未整備区間9キロ調査 18年度開通目指す

上毛新聞
2016年9月4日
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ㅤ新潟、長野両県との県境の稜線(りょうせん)約100キロをロングトレイル=豆字典=として整備する計画を進める群馬県は2日から、想定するコースのうち唯一、登山道が未整備の三坂峠(中之条町)―白砂山(同)間約9キロの現地調査を実施する。危険箇所を把握するほか、水場やテント設営場所の有無などを調べ、既存の登山道との接続方法などについて具体的に検討する。調査結果を基に2017年度にも整備に着手し、18年度の全線開通を目指す。

ㅤ調査は4日までの日程で実施。県の自然環境課とスポーツ振興課の職員らが中之条町の野反湖にある登山口から登り始め、白砂山を目指す。その後、三坂峠までの未整備区間9キロについてコースとしての適性や必要となる整備の内容などを確認する。
県スポーツ振興課は「温泉地にも近く、本県の豊かな自然を体感できるコース。全線開通に向けて、しっかりと調査したい」と意気込む。
ㅤ県が計画しているロングトレイル「ぐんま県境稜線トレイル」(仮称)は、みなかみ町・土合の登山口から嬬恋村の鳥居峠を結ぶ山道で、コースには谷川岳、草津白根山、四阿(あずまや)山の日本百名山3座があり、ぐんま百名山の17座も集中している。稜線コースとしては全国最長で、上級者であれば5日間程度で踏破が可能とされる。
ㅤ今年6月には県と稜線が通る中之条、嬬恋、草津、みなかみの4町村、各観光協会、山岳団体などでつくる検討委員会が発足、全線開通に向けて情報交換などに取り組んでいる。
ㅤ調査を実施する区間以外は、既に登山道が整備されており、10月には旅行会社やマスコミ関係者らを対象にしたモニターツアーを実施する計画。豊かな自然を楽しめるトレイルの周知を図るとともに、温泉などを含めた周遊観光などの魅力を発信していく。

◎山に親しむ機会拡大
ㅤ自然や文化、歴史、温泉地などを組み合わせて誘客を図ろうと、登山道や林道などを結ぶルートの整備や、設定したコースを走るトレイルラン大会開催の動きが県内で広がっている。
ㅤ浅間山周辺では、嬬恋、長野原と長野県の小諸、東御、軽井沢、御代田の6市町村の登山道などをつなぐ「浅間ロングトレイル」が整備され、人気を集めている。
ㅤ片品、川場、みなかみの3町村にまたがる武尊山、四万温泉(中之条町)と草津温泉(草津町)を結ぶ区間、太田、桐生両市の八王子丘陵では、それぞれトレイルラン大会が開かれるなど山岳県ならではの企画が活発化している。
ㅤ山に親しむ「山の日」も制定された。県山岳団体連絡協議会の八木原圀明会長は広がるトレイル整備などの動きに期待を寄せ、「さまざまな形で山に親しむ機会をつくることが重要」と話している。

【豆字典】ロングトレイル 自然や文化、歴史などを楽しみながら歩くことができる道。欧米には3千キロを超えるコースがあり、世界各国から多くの人が訪れる。健康増進にもつながるため、国内でも人気が高まっており、2011年に「日本ロングトレイル協議会」(現・同協会)が設立された。