茨城県産栗PRへ菓子開発 茨城県と企業 メロンとマロンのモンブラン

茨城新聞
2022年9月21日

茨城県は日本一の生産量を誇る茨城産栗の認知度アップへ、県内外の企業と連携して商品を開発した。県内のグランピング施設では、茨城産メロンの上に濃厚なマロンペーストを盛り付けたモンブランを販売。都内では、栗を丸ごと使った洋菓子を提供する。今秋は首都圏などでフェアや販売会も開催。ブランド定着を目指し、主に首都圏の富裕層を狙ってPRを展開する。

1日に発売したのは、栗と秋メロンを使った新商品「メロンとマロンのスペシャル・モンブラン」。器に見立てた糖度13度以上の鉾田市産アールスメロンの上に、栗の甘露煮や濃厚な味わいのマロンペーストなどをふんだんに盛り付けた。

共同開発したグランピング施設「アウラテラス茨城」(土浦市)で販売。盛り付けは宿泊者が自ら行う形をとっており、調理体験を通じて茨城産栗の印象付けを狙う。

都内では有名菓子店と連携し、栗の渋皮煮を使った洋菓子「オートンヌ」を販売。渋皮煮は小田喜商店(笠間市)の生産品で、カシスを練りこんだ生地の中に入っている。高品質で風味ある栗の味わいを購入者にアピールする。

栗の渋皮煮を丸ごと使った洋菓子「オートンヌ」

 

県は農業者の所得向上を図るため、県産農作物の認知度向上のけん引役として、高品質で他県と差別化できるブランド農作物のPRを推進している。本年度は栗を含む5品目を、トップブランドを目指す重点品目に選定。話題性のある商品の開発や大都市圏での販売促進に力を入れている。

11月上旬には、県南地域の菓子店を中心に出店するマロンフェアを都内で初めて開催する。このほか首都圏や関西地域で、栗を前面にアピールする県産品フェアを開く。

2020年の茨城産栗の収穫量は3790トン。主な生産地は笠間市やかすみがうら市で、作付面積は21年で3260ヘクタールに上る。

県販売流通課は「今後も高級店での取り扱いを推進することでブランド力を高めていく。栗と言えば茨城と思ってもらえるよう、さまざまなアプローチで魅力を伝えていく」としている。