水戸の中村さん、ギター文化館支援へ音楽会 茨城・石岡、16日

茨城新聞
2022年9月4日

■入場料寄付「少しでも力に」

水戸市のギター講師、中村俊三さん(71)が16日、資金難に悩む「ギター文化館」(茨城県石岡市柴間)を支援するギター・リサイタルを同館で開く。入場料全額を同館の支援金として寄付する。中村さんは「クラシックギターのミュージアムは国内でも貴重な施設。末永く活動してもらうため、少しでも力になりたい」と語る。

中村さんは栃木県出身。水戸市石川でギター教室を開いている。同館との交流は長く、教室の生徒の発表会や自身の演奏会でホールを利用し、同館で開いたギターコンクールの審査員を務めたこともある。

今回の演奏会では、タレガの「グラン・ホタ」、ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」などを披露する。

同館は旧八郷地区にあり、1992年11月、東京労音(東京)の施設として開館した。「アントニオ・デ・トーレス」など、ギター愛好者に垂ぜんの的の名器コレクションや、音響が素晴らしいホールで知られる。

新型コロナウイルス禍で存続の危機に直面し、今年4~5月にかけてクラウドファンディング(CF)で運営資金を募った。

同月末までに目標額700万円を超える約745万円が集まったが、同館によると、その資金は1年間の運営、管理、維持費などに充てられ、達成後も資金が乏しいことに変わりはないという。

中村さんは「当面の運営は大丈夫かもしれないが、先のことも考え、応援のために演奏する。リサイタルでは、本格的なクラシックの曲を楽しんでほしい」と話している。

午後2時開演。入場料は2千円。チケットは中村ギター教室と同館で扱う。問い合わせは中村さん(電)029(252)8296。