「エレキの神様」寺内タケシさんのギターや衣装1500点 茨城・筑西に今秋、記念館開館

茨城新聞
2022年10月12日

「エレキの神様」と呼ばれ、2021年6月に82歳で亡くなった茨城県土浦市出身のギタリスト、寺内タケシさんの遺品を展示する記念館が今秋、筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に開館する。愛用したギターやステージ衣装など約1500点をそろえる。開館の準備を進める寺内タケシ東京後援会長の光田鐘吉さん(74)は「寺内タケシの功績を残したい」と話している。

寺内さんは5歳でギターを始め、大学在学中にプロ活動を始めた。1962年に「寺内タケシとブルージーンズ」の結成に参加。代表曲「涙のギター」のほか、クラシックの「運命」や民謡「津軽じょんがら節」「ソーラン節」などをカバーし、ヒットさせた。

寺内タケシさん

 

当時、エレキギターが非行の温床になるとして、多くの学校に広がった「エレキ禁止令」に抗議。母校の県立土浦三高を皮切りに全国の高校を巡る「ハイスクールコンサート」を長年続けた。後年、こうした活動が認められ、文化庁長官表彰や緑綬褒章を受けた。

記念館には、寺内さんが作曲に使っていたギターや衣装などの愛用品が並ぶ。幼少時、クラシックギターに電話機のコイルを取り付け、自作したとして知られるエレキギターのレプリカもある。

壁面には、写真パネルや生前の活躍をしのぶ表彰状がずらり。さらに、寺内さんのギターを再現したレプリカやベース、ドラムセットがそろい、来館者が演奏を楽しむこともできる。

記念館は、寺内さんの関係者が構想し、光田さんが場所を探していた。知人に相談するうちに、ザ・ヒロサワ・シティを運営する広沢グループの広沢清会長(84)の耳に届き、協力を得られた。広沢会長は寺内さんのファンで、同グループの社員旅行に寺内さんを招いて演奏を聴いたこともあり、縁を感じたという。

記念館のこけら落としとして、寺内さんのヒット曲や民謡「筑波山」などを演奏するステージイベントを検討している。光田さんは「寺内タケシを伝説として伝えていきたい」と話した。