“エール球” 高岸初登板 GB、お笑いと二刀流 ほろ苦、2回3失点 今季最多5021人後押し

下野新聞
2022年8月15日

野球独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブス(GB)に入団したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行(たかぎしひろゆき)(29)が14日、県営球場で行われた埼玉戦でプロ初登板を果たした。2回3安打3失点のほろ苦デビュー。試合は引き分けに終わり、試合後のお立ち台で「両者優勝でございました」と、らしさ全開の言葉で観客を喜ばせた。会場には「芸能界最速右腕」の投球を一目見ようと今季最多5021人が詰めかけた。

入団セレモニーでは「応援人として、皆さんをより前向きに、楽しい時間を過ごしてもらえるようにエール球を投げ込みたい」と宣言。マウンドに立つと表情を引き締め、一球一球に気持ちを込めた。初回、併殺でピンチを切り抜けるとスタンドが沸いた。3ボールノーストライクの苦しい場面は、高岸を後押しする拍手も沸き起こった。

高岸の登板は事前に告知されていたこともあり、多くのファンが来場。試合開始7時間前の午前6時から並ぶファンもいたほど。応援団員の菊川翔(きくがわかける)さん(15)は「やればできる 夢への再出発」と記した横断幕をスプレーで作成。「コロナ禍で気分が落ちている部分もあるので、高岸選手には選手やファンを元気づけてほしい」と期待した。

この日サッカーJ2栃木SCと対戦した新潟のサポーターの姿も。新潟市から訪れた会社員平松竜弥(ひらまつたつや)さん(36)は「この年齢になると夢を忘れがち。高岸選手はいつまでも挑戦し、夢を追いかけている姿勢が人間としてかっこいい」と勇姿を目に焼き付けた。

大田原市元町1丁目、大学生三次崚(みつぎりょう)さん(19)は「元気をもらえるプレーで、見ていて楽しかった」と満足そうだった。